もう少し詳しい設定事項のメモ。 ○家族構成 父-逐平(ちくへい)  46歳。植物学者。大学で教鞭をとっていた。趣味で怪しげな 諸現象(所謂超能力だのUMAだの)を研究。 栄子の「上官」とは趣味方面での付き合い。(だけではないが…) 現在行方不明。 母-ワスプ  46歳。元アメリカ人。ごく普通の母親。 留学時代に夫と知り合い、結婚。 栄子が何処に居るか知っているので、さほど心配はしていない。 今のところ連れ戻す気も無いようだ。 栄子が行方不明の間何をしていたかは知らない。  夫が行方不明だが、光子と栄子の仕送りで 無事生計は立てられているようだ。 長姉-光子(みつこ)  24歳。とある企業で兵器関係の研究職に就いている。 性格は凶悪で冷酷、無慈悲で無愛想。腕力はさほどではないが…。 敵を葬るためには手段を選ばない恐るべき人物。 栄子には大甘(もにゅう談)…といっても傍からは殆ど見分けがつかない。 次姉の寿子とは余り仲が良くない。 次姉-寿子(ひさこ)  20歳。大学生。性格は快活、やや気まぐれ。愛想はよい方。 栄子には大甘で「溺愛」の域だったようだ。 光子には一方的に嫌われており、寿子には敵対的感情は無い。 祖父母は父母方共に皆健在。 ※)ちなみに、金髪なのは母と栄子だけ。 ○「上官」について  本名不詳。ロシア陸軍所属。階級は中佐。折からの予算の絶望的な不足を補うため 金を取り外国の人間に対し特殊部隊隊員としての訓練を施すことを立案した人物。 実際の訓練も彼とその部下が行っている。彼の行動は全て自分の所属する部隊のためである。 兵器の密売も行っている。 ─本人のあまり語らない事。 ○栄子についての補記事項  ・性格は温厚で素直、忍耐心に富む。怒りの沸点はかなり高く、もにゅうに対し怒る時も、   大抵の場合は単なる威嚇である。   彼女を有能な兵士としている重大な要素として、この忍耐心が挙げられる。  ・学校においてはさほど目立つタイプではない。無論、サボりが多いこともその原因ではある。  ・彼女が暴力を行使するのは原則的に、本当に怒ったとき、本に関する紛争が起こったとき、敵に対してのみである。  ・特殊部隊の正規教育を受けた事を誇りに思う一方、正規の軍人の身分を持たなかった事に若干の劣等感を持つ。  ・特殊部隊での階級は軍曹、のち曹長。あくまで仮のものであった。  ・傭兵時代に高級将官の無能に苦しんだ経験から、高級軍人に対し若干の苦手意識を持つ。ただし、   直接の関係が無い場合は特に問題は無い。  ・傭兵時代は小隊(と称されていた部隊)の指揮官、のち中隊指揮官(待遇)。階級は中尉(待遇)。   傭兵のため正規の身分ではなく、これも一時的な仮のものであった。  ・部隊時代、傭兵時代を通じて軍人の知己・友人を多く得、手紙や電話等で交流を続けている。   彼女に恩義を感じている人間は決して少なく無い。(一部の人間は、彼女がまだ傭兵をやっていると   思っており、そのため糧食や弾薬などを都合して送ってくる)  ・特殊部隊や空挺部隊、海兵隊などの「エリート」部隊所属者にありがちな優越感を持つ。   本人は自覚して注意しているので、大抵の場合子供らしい自尊心として表に出るだけである。  ・日本の一般常識にやや疎く、子供らしさもまだ残っている。(戦場の現実によって些か歪んではいるが)   本来は帰国直後の半年間で社会に慣れてから復帰する予定だったのだが、国内・海外の様々な「仕事」に首を   突っ込んだためその目論見は失敗に終わっている。 ○もにゅうについての補記事項  ・彼の尊敬する人物の山井二郎とは、つげ義春「無能の人」に出てくる古書店店主である。   山井は元セドリ師で、古書店店主、やる気が無い(一日中寝ている)ともかく胡散臭い人物である。   何故もにゅうが彼を尊敬しているのかは不明。  ・セドリ師としての腕は比較的良好。